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 前から一気に ・・・ ブレード(オールの先端)が水に入る瞬間を「キャッチ」と言い、「ドライ
              ブ」を経てブレードが水から出る瞬間を「フィニッシュ」と言います。「前
              から一気に」というのは「キャッチで水に対してしっかりブレードを固定し
              て、一気にドライブをする」という意味になります。

 一枚押し込み ・・・ ブレードが一枚分きれいに水中に入っていることを「一枚」と言い、
              「押し込み」とは、フィニッシュまでしっかりと押し込むことを言います。
              ブレードが深すぎても浅すぎてもダメで、力が効率よく伝わるブレード
              一枚分が、適切なドライブになります。

 バウフォア押し込み ・・・ 進行方向に向かって一番後ろを漕ぐ選手(COXから一番遠い選
                  手)を「バウ(B)」と呼び、以降前へ順に「2番」、「3番」・・・「7
                  番」、「ストローク(S)」、「COX」と呼びます。「バウフォア」とは
                  バウ〜4番までの4人を指し、3番〜6番までの4人を「ミドルフォ
                  ア」、5番〜ストロークまでの4人を「ストロークフォア」と呼びま
                  す。「バウフォア押し込み」とは、バウフォアに向かってフィニッシ
                  ュまでしっかりとドライブするようにということです。



(0:45〜2:13 応援席前〜桜橋〜ゴール)

 2枚上げ ・・・ レートを2つ分上げるという意味です。レート34で漕いでいたなら36に、36
           なら38へといった具合です。

 6.0 ・・・ レート36.0の略語です。

 足蹴り3本 ・・・ ボートは腕で漕ぐのではなく、強靭な下半身を利用して、席に取り付けら
            れている靴(ストレッチャーと呼びます)を蹴ることでドライブをしています。
            「足蹴り3本」とは、強いドライブの意識を3本で入れかえようという意味で
            す。

 40オーバー ・・・ レート40を超えて漕ごうという意味です。ラストスパートになります。早
             慶レガッタでは、言問橋を過ぎたあたりがラストスパートのタイミングにな
             ります。

 パワーテン行こう ・・・ 最後の力を振り絞ってラスト10本漕ごうということ。

 ミドルフォア ・・・ 3番〜6番の4人のことです。ミドルフォアは「艇のエンジン」と呼ばれて
             おり、比較的体の大きい力のある選手が務めるポジションになります。

 イージーオール ・・・ 漕ぎやめること。
                ゴールです。


COXコールは、チームやCOX個人によってさまざまあり、必ずしも上記の通りとは言えません。

しかし、 艇の上でCOXが何を喋っているのかお分かり頂けたと思います。






では、なぜCOXのコールは必要なのでしょうか。COXがいなくとも、8人が力を合わせて漕いでゆけば 問題ないのではないでしょうか。 ここで、2つの視点から考えてみることにしましょう。

1つに、オーケストラの指揮者を想像してみることです。練習段階から本番の演奏まで、指揮者なしでは 音楽をまとめることは不可能でしょう。ボートのCOXもよく似ています。 練習段階からクルーをまとめ上げ、どうすれば速くなるのか、研究に研究を重ねます。

また、演奏が指揮者のタクトによって始まりタクトによって終るように、クルーの漕ぎも COXのコールによって始まり、コールによって漕ぎ終えます。

レースでは、8人の漕ぎをそれぞれ見ることができるポジションにいるCOXが、 夢中に漕いでいるクルーを落ち着かせ、漕ぎの修正を指示し、漕ぎ手が漕ぎやすい ようにコールをかけていきます。

指揮者の役目が音楽演奏に統一を与えていくことだとすれば、COXの役目とはまさに、COXコール によってクルーの漕ぎに統一を与えていくことだと言えるでしょう。

もう1つの視点は、漕ぎ手8人はゴールに背を向けて漕いでいるということに着目すること です。ゴールに背を向けてゴールを目指す競技など 他に何があるでしょう?COXはゴールを目で見ることができる唯一の選手になるわけです。 「どこでスパートをかけるのか」「○○橋まであと何メートルか」。COXは、クルーを ゴールまで先導する「船長」の役割を担っているのです。

このため、COXにはボートに関する十分な知識と経験を備えた上での、 どんな状況にも物怖じしない冷静な判断力が必要とされます。



例えば、仲間から信頼されていないCOXに指示を出された漕ぎ手は 何を思うでしょうか。

クルーを統率する立場にあるCOXは、そのポジションを十分に担えるだけの責任感、義務感が求め られます。クルー全員から信頼されていることが何よりも大切になってきます。

COXは、艇を降りてからも艇やオールのケアをしたり、自分のコールは適確なものであるのか、 どうしたらもっと速くなるか、どうしたら漕ぎ手が100%力を出せるようになるかを考え、 ビデオを繰り返しチェックしたり、 世界のトップクルーの漕ぎと比べながら、研究を重ねます。また合宿生活を送る中で、COXは 漕ぎ手から信頼されるよう、ボート以外の面でも気を配っているといいます。



                           

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